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Fashion

2022-23 AUTUMN/WINTER COLLECTION
"PLANET"

ANREALAGE AUTUMN/WINTER 2022-23 COLLECTION “ PLANET ”

■ 月は非日常、そこから見える星は地球。 地球は日常、そこから見える星は月。 地球から月へ。 月から地球へ。 ひとつの服が、星と星を繋ぐ ────────── ショーは月面着陸の一歩から始まる。 2030年、384,400kmの距離を超えて、モデルが月面に降り立つ。 月面には惑星地球から来た人類の足跡が残る。 モデルは宇宙服のように膨らんだフォルムの真っ白な洋服に身を包む。 地球の6分の1の重力で浮遊しながら、ムーンウォークでランウェイを歩く。 地球での日常服であるアランセーターやデニムジャケット、トレンチコートなどは、宇宙服に着想を得たディテールに置き換えられる。 記号的な正円のネックラインや正円のアームホール、身体が拡張されたようなボリュームのある円筒シルエットで服が構築される。 ベビードールドレスやコートのキルティング、ジャンプスーツ、MA-1、スタジャンには、NASAが開発したマイナス196℃をも断熱する宇宙 服用の素材「エアロゲル」を内蔵している。 空気も水もない宇宙空間では、まるで小型の宇宙船のように服が体を守る装置となる。 ■ 月が翳ると、4体の黒いドレスが同じ方向を向いて並ぶ。 遥か彼方の地球から遠隔操作され、模様や文字など情報が伝達できる服。 液晶ディスプレイのようなテキスタイルは繊細な光ファイバー糸で織られ、柔軟でしなやか。白く発光し、のちに虹色に煌めき、その表現は 変幻自在。 ラストルックには「THE EARTH WAS BLUE」の文字が点滅する。 やがて月に「地球の出」の時刻が訪れる。昇りゆく青い地球がヘッドカプセルに映り込む。 多国籍な、しかし同じ星からやってきたモデルたちが、ひとつの同じ故郷、地球を眺める。 ■ 月から地球へ戻り、モデルたちが月の光に照らされた砂浜を歩く。 身に纏っているのは月面で着ていた服と同じものだが、地上では重力の影響を受けて膨らみが萎み、そのシルエットは一変する。 キルティングドレスやコートの肩やジャンプスーツのウェストラインは落下し、ドレープやギャザーが服に生まれる。 宇宙服から地球服へ。 星と星を繋ぐ服に、平和への祈りを込めて。 2022年3月5日 ANREALAGE 森永邦彦 ■ “Here, men from the planet Earth first set foot upon the Moon. We came in peace for all mankind.” -Neil Armstrong 「惑星地球より来たる人類、ここ月面に降り立つ。 我ら人類の平和のために来たれり」 -ニール・アームストロング