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Fashion

2023-24 AUTUMN/WINTER PARIS COLLECTION
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ANREALAGE AUTUMN/WINTER 2023-24 COLLECTION “ = ”

2023.02

等しい二つの世界。 異なる二つの世界。 私たちには世界がどう見えているか。 彼らは世界をどう見ているか。 等しく異なる世界を纏う。 【環世界 ー 等しく異なる世界】 「他の生物に世界はどう見えているだろう?」 彼らから見える世界を想像してみると、私たち人間が見ている世界が当たり前ではないことに気づかされる。 アンリアレイジの2023-24年秋冬コレクションのテーマは“=(イコール)”。 19世紀のドイツの哲学者・生物学者であるヤーコプ・フォン・ユクスキュルが唱えた「環世界」の概念を表現する。 ユクスキュルは人間が「見て」いながら「知覚していない」世界があるという。 他の生物は、人間と同じ世界に居ながら、人間とは違う世界を見ている。 人間と色合いの違う世界に生き、多彩な色の世界に遊んでいる。 例えば、人間は「可視光線」に含まれる色で世界を見ているのに対し、ミツバチやモンシロチョウなどは人間の眼では捉えられない「紫外線」 の光を見ることができる。 光を受け取る知覚機能が異なることで、見える色も世界も変わる。 他の生物が周りの世界をどう見ているかという「彼ら視点」は、ファッションの色とかたちを相対的に考えていく際に欠かせない。 フォトクロミック材料を用いた光で色が変わる服は、人間の眼には色が見えていないだけで、他の生物には、もともと違う色に見えているか もしれない。 音の反響や触覚など、視覚以外の感覚でかたちを捉えようとしたとき、その世界に「前」や「後ろ」の概念はない。 どちらも前であり、どちらも後ろであるように、前も後ろも同じかたちであることが、当たり前であるかもしれない。 ファッションは視覚こそがすべてだと考えてきた。 見えている、見えてないという大きい世界があって、その世界でしかないとおもっていた。 自分が見ている色やかたちはあくまで自分の主観であって、全く違う視点からはどう見えるのか。 私たちには世界がどう見えているか。 彼らは世界をどう見ているか。